前立腺シンポジウム

第29回前立腺シンポジウム(2013年)

第29回前立腺シンポジウム

第29回前立腺シンポジウムは、第1日目の14日(土)に「基礎部門」として指定演題の発表と教育セミナー1を行い、第2日目の15日(日)には「臨床部門」として教育セミナー2および「限局性前立腺がんの至適治療戦略」をテーマに、パネルディスカッション、公募による口演とポスター発表・討論を行いました。

第1日目の「基礎部門」では、前立腺がんに関連する基礎研究の指定演題9題と、当財団の研究助成受賞演題3題の発表がありました。 前立腺がん治療における標的遺伝子、前立腺がんの増殖に関連するmicroRNAの重要性、内分泌環境の役割、がんの増殖抑制に関与する様々な微小環境の重要性や薬剤・免疫療法の作用機序の解明など、最先端の基礎研究の発表があり、活発に討論が行われました。また、教育セミナー1では、公益財団法人東京都医学総合研究所の田中啓二先生から「プロテアソームの発見から現在に至る研究の軌跡」についてご講演いただきました。これまでの長年にわたる研究の軌跡、プロテアソームの動態・生理機能・病態についての最新の知見について素晴らしい研究の成果を教えていただき、活発な意見交換が行われました。

第2日目の「臨床部門」では、教育セミナー2において、Northwestern University Feinberg School of MedicineのWilliam J. Catalona 先生から 「The PSA Screening Debate」についてご講演いただきました。最新の検診や治療介入に関する研究・論文についてのご解説と、研究の本質を見極める科学的視点の重要性について教えていただき、今後の前立腺がん検診の正しい方向性を示していただきました。また、今回の臨床部門のテーマは「限局性前立腺がんの至適治療戦略」でした。限局性前立腺がんの治療戦略は多彩で、適切な治療を行うためには、医療者側の高い使命感と最新の科学的な知識が必要であることは言うまでもありません。パネルディスカッションでは「限局性前立腺がんのテーラーメイド治療戦略を考える」と題し、多様な限局性前立腺がん治療モダテリィーの全ての領域に関して、我が国の前立腺がん診療をリードする7人の指名パネリストより講演が行われ、フロアの先生方を交え、現状の正しい理解と、未来に向けての建設的な討論が行われました。また、公募による発表では、手術療法(開腹・腹腔鏡下・ロボット支援腹腔鏡下手術)、放射線療法(外部照射、小線源療法、粒子線治療)、PSA監視療法に関連する、治療技術、治療成績、QOLについて56演題の研究発表がありました。

2日間にわたって開催された今シンポジウムには、400名近くの方々にご参加いただきました。全国の泌尿器科臨床医、放射線腫瘍医、基礎研究者を中心に、前立腺がん治療に携わっておられる医師・研究者が一同に会し、討論を通じて意見交換ができたことは、明日からの前立腺がんの診療レベル向上に直結すると考えられ、極めて重要なシンポジウムとなりました。



テーマ 【臨床部門】
「限局性前立腺がんの至適治療戦略」
日程 第1日目【基礎部門】:2013年12月14日(土) 12:55~18:00
第2日目【臨床部門】:2013年12月15日(日)  8:25~17:00
場所 東京コンファレンスセンター・品川(東京都港区港南1-9-36 アレア品川)
次第 第1日目:【基礎部門】
①指定演題(口演)
1 「罹患リスク」
2 「浸潤・転移①」
3 「浸潤・転移②」
4 「転写とシグナル伝達」
5 「治療と予防」

②教育セミナー 1
「プロテアソームの発見から現在に至る研究の軌跡」
田中啓二 (公益財団法人東京都医学総合研究所)

第2日目:【臨床部門】
テーマ 「限局性前立腺がんの至適治療戦略」
①パネルディスカッション
「限局性前立腺がんのテーラーメイド治療戦略を考える」
■司会
斉藤史郎(国立病院機構東京医療センター)
秋元哲夫(国立がん研究センター東病院臨床開発センター)
■パネリスト
横溝  晃(九州大学大学院)
川島清隆(栃木県立がんセンター)
佐藤威文(北里大学)
溝脇尚志(京都大学大学院)
石川  仁(筑波大学大学院)
杉元幹史(香川大学)
赤倉功一郎(東京厚生年金病院)

②公募演題
口演セッション
1 「手術療法」
2 「放射線治療」
3 「診断・治療成績・QOL」

ポスター討論
1 「ポスター討論①」
2 「ポスター討論②」

③教育セミナー 2
「The PSA Screening Debate」
William J. Catalona, MD (Northwestern University Feinberg School of Medicine)

臨床部門のテーマ設定の背景

今回のシンポジウムでは、限局性前立腺がんの治療を主題にしました。限局性前立腺がんの治療は多彩で、がんの根治性、排尿機能・性機能保持のみならず、治療を受ける側の価値観・健康状態、費用対効果比、過剰治療回避などの観点から、多様化した手術療法(開腹・腹腔鏡下・ロボット支援腹腔鏡下手術など)、多彩な放射線療法(外部照射、小線源療法、粒子線治療)、内分泌療法及びそれらの併用療法、PSA監視療法より至適治療戦略を選択することになります。
今回、限局がんの様々な治療モダリティーの成績・合併症・QOLについて、我が国で前立腺がん診療に関わっている第一線の臨床医・研究者が一同に会し、活発な意見交換の場を提供することは極めて医学的に重要と考え、テーマを設定しました。

プログラムをご覧になる場合 



第29回前立腺シンポジウム運営委員会事務局

〒160-0023 東京都新宿区西新宿1-12-12 河西ビル6F
FAX:03-3340-3886
TEL:03-3340-3885
e-mail:zzkz@basil.ocn.ne.jp

運営委員長

鈴木和浩     (臨床部門・代表 群馬大学大学院)

運営委員(臨床部門)

塚本泰司     (札幌医科大学名誉教授)
内藤誠二     (九州大学大学院)
市川智彦     (千葉大学大学院)
村井  勝     (国際親善総合病院)
齊藤  泰     (佐世保市立総合病院・名誉院長)

運営委員(基礎部門)

酒井英樹     (基礎部門・代表 長崎大学大学院)
内藤誠二     (九州大学大学院)
鈴木和浩     (群馬大学大学院)
市川智彦     (千葉大学大学院)
赤座英之     (東京大学先端科学技術研究センター)
小西  登     (奈良県立医科大学)
白石泰三     (三重大学大学院)
白井智之     (名古屋市総合リハビリテーションセンター)

主催:第29回前立腺シンポジウム運営委員会、公益財団法人前立腺研究財団
後援:厚生労働省、公益社団法人日本医師会、一般社団法人日本泌尿器科学会

当日の様子


「基礎部門」開会の挨拶
酒井英樹基礎部門代表運営委員

「基礎部門」セッション
会場の様子

「基礎部門」教育セミナー1
演者:田中啓二先生

「基礎部門」閉会の挨拶
鈴木和浩運営委員長

「臨床部門」開会の挨拶
鈴木和浩運営委員長

「臨床部門」教育セミナー2
演者:William J. Catalona先生

「臨床部門」
パネルディスカッション
会場の様子

「臨床部門」口演セッション
会場の様子

「臨床部門」ポスターセッション
会場の様子[第1会場]

「臨床部門」ポスターセッション
会場の様子[第2会場]

「臨床部門」閉会の挨拶
斎藤 泰財団学術担当理事

会場の様子
受付風景

会場の様子
情報コーナー

会場の様子
コーヒーブレイクも”情報交換”